ハトコのたわ言

趣味に生きる隠居のたわ言集です

DTMシステム移行で被った、不条理で理不尽な出来事について (4)英語DBで日本語を歌わせたら[N@]でシステム崩壊の危機

<前項目DTMシステム移行で被った、不条理で理不尽な出来事について (3)英語ライブラリで日本語を歌わせるためにVOCALOID Editor4.0を経由するの続き>

 

VOCALOIDの過去の音声ライブラリ(VOCALOID2.0用で32bit環境)のPrima/TonioをWin10+64bit環境で使う環境がそろい(Cakewalk by BandLab+Piaporo Stadio)、 Piaporo Stadioは英語辞書機能を持っていない問題は、たまたま買っていたVOCALOID Editor4.0にあった英語辞書に類似日本語発音を登録することで対応できた、というのが前回までの話。

 


「君の髪があやしく絡まりうねる」(2018/2019/2020)【オリジナル】

実例で言えば、上記の曲の出だしの歌詞、「よいやみにじんだ」に対して、ローマ字書きして「YOIYAMI NIJINDA」と入力してもYOIYAMIなんて英単語は存在しないので、歌ってくれないわけです。

なので、カナに対応する英単語

「よ」→yo 「い」→i 「や」→ya 「み」→mi

の「yo」「i」「ya」「mi」の各音節のローマ字綴りを英単語と見立てて、日本語の50音分(だけでなく、「ぎゃ」とかそういう日本語でありえる音節全部に対して)それぞれに発音記号をVOCALOID Editor4.0の英語辞書に登録しておけば、ローマ字を流し込むと、自動的に

yo→[j O:] i→[i:] ya→[j V] mi→[m i:]

と日本語発音に近い英語発音に置き換えてくれるのです。

カナをローマ字に置き換える機能はVOCALOIDにはないので(日本語DBに日本語で歌わせたり、英語DBに英語で歌わせる、普通の場合には全く必要のない機能だからアタリマエか)、自分でちょっとした置き換えるスクリプトとか(私はファイルメーカーを使いましたが)を書く必要があるんですが、まあそれは置いといて。

 

問題は日本語にあって英語にない発音をどうするか。まあ、日本語の発音(音素)は少ないので、だいたい英語にはあるんですが、

「つ」はない。これはダメを承知で[tS u:]とすると似て聞こえなくもない。

「ん」もない。

そもそも日本語で「ん」と書かれる文字の発音は実は何種類もある、という問題を置いておいても、母音はないけど「ん」は音節として1音分歌わせる必要があります。

「ん」→nn いう英単語に置き換え、nnの発音を、

nn→[N@]

と辞書登録しました。「ん」の発音は[N@]、というのがなぜか私の古い資料にあった(たぶんVOCALOID Editor2.0を使っていたときの資料?)からなのですが・・・

結論から言えば、これが深刻なシステムエラーの原因となったとはその時点では全く分かりませんでした。

 

昨年の10月末から「君の髪があやしく絡まりうねる」の制作を再開。予定通り、Tonioで歌って貰えるよう、歌詞を上記の手順でVOCALOID Editor4.0で英語発音に書き換え、そのファイルをPiaporo Stadioに読み込み、Cakewalk by BandLab+Piaporo Stadioという新システムで使ってみたのですが・・・動作が非常に不安定、というかPCにかなりのダメージを喰らわせるたぐいのシステムエラーを起こしたのでした。Cakewalkの中でVSTのPiaporo Stadioが落ちるとか、Cakewalkそのものが落ちるとかいうヤワな落ち方ではなく、ちょっと使うとPC本体がいきなり落ちる!

PC自体を再起動しないとウントモスントモいわない状況になるわ、問答無用で落ちるので再起動するたび「Safeモードで起動しますか」的な深刻げな表示が出るてくるわ、不安いっぱい。

それからはまさに悪戦苦闘状態

Cakewalkの負荷を減らすため先にオケ部分をレコーディングしたり、レイテンシを最大限にしたり、DAWソフトに問題あるのかもしれないとCakewalkを諦めてStudio One Artist Piapro Edition(巡音ルカについている)をわざわざインストールしてそこでやってみたり、さらにはインストールだけしていたCubeseでやってもダメ、ハードウエアの問題かもしれないとDACを別なモノにしてもダメ。何度も深刻げなハングアップを喰らい続けた。

ついに万策尽きたか・・・

投資した額(Tonioだけでも1万)が無駄になっただけでなく、このままだと慣れ親しんだPrimaも二度と歌ってくれない。

が、ふと気づく。

どの場合でも「ん」を歌ったところでハングってない?

発音記号を[n]で修正してみる。やった!ハングらない!

1曲通してチェックする・・・問題ない!

一方的に押されていたのにロングカウンターで逆転ゴールを決めた感じ。

正直、私は諦めるのが割に早い人間だけど、今回は諦めずに良かった。

これでしばらく(最低5年くらいかな?)は楽しめることが確定した。

 

が、そもそも自らDTMシステムの移行なんて望んでないわけだし。

発音記号に[N@]と入れるだけでこんな深刻げなシステムエラーが起きるなんて普通、想像つかないし。

 

ブログを再開した最大の理由でもあり、長々と、4回に分けて書いてきたのは、この一年前の「不条理で理不尽な出来事」に対する怒りが未だ消えていないからと言えます。

ともかくVOCALOIDの英語ライブラリの発音記号に[N@]は絶対に入れてはいけない

ということは、他の方の役に立つかもしれないのでNet上に書き残しておきたかったという理由もあります。まあ私みたいなマイナーなことをしている人がどこまでいるかは疑問ですが。

<このシリーズ、次回で終わります>