ハトコのたわ言

趣味に生きる隠居のたわ言集です

久々に「遠すぎた橋」(A Bridge Too Far)を観て

遠すぎた橋

先日、近くのレンタル屋さんが旧作一律100円でレンタルというセールをやっていたので、実に久々に遠すぎた橋(A Bridge Too Far)を借りて観る。実は新しく買ったノートパソコンがDVD-Rの片面2層書き込みが出来るので、3時間を超えるこの超大作でもコピーできる(私的コピーだから問題ないでしょ!)のもあったんだけどね。

ダーク・ボガードショーン・コネリージーン・ハックマンライアン・オニールロバート・レッドフォードなんかが出てくる、まさにオールスター・キャストの超大作。

話の中身や背景を説明すると、余りに長くなるので、かいつまんで言うと、第2次世界大戦のヨーロッパ戦線、ノルマンディ上陸作戦も成功し、ドイツ軍は総崩れ、フランス、ベルギーが解放された秋口のころ、英国のモントゴメリー元帥(作品には登場しない)の立案した「マーケット・ガーデン」作戦が実行される。ドイツ軍は壊滅状態にあると過信して、オランダの5つの橋を空挺部隊(簡単に言うとパラシュート部隊)が確保、戦車部隊が一気に(二日間で)オランダを突破、ドイツの工業地帯の中心、ルール地方に迫る、という作戦だった。

まあ、常識的に考えても難しいよね。5つの橋のうち、一つでもドイツ軍に爆破されたら作戦は上手く行かないんだし、大部隊を動かすのにルートが一つしかないなんて非常識きわまりない作戦。

しかし、ダーク・ボガード演ずるところの将軍は、モントゴメリー元帥の言う作戦だから、と言って実行に移してしまう。地下組織からの情報も、低空飛行での偵察でも最後の橋付近にドイツ軍が健在だという可能性が否定できないにもかかわらず。

で、まあ紆余曲折アリながら(詳しく知りたい人はWikipediaの「マーケット・ガーデン作戦」を参照)、結局4つの橋は通ったんだけど、最重要の最後の橋のアーヘンには予定より7日間も遅れて到着し、その間、ドイツ軍の反撃で空挺部隊ショーン・コネリーが師団長役)は壊滅状態となり、結局撤退することになる。

で、最後に撤退してきたショーン・コネリーに、作戦の実行者であるダーク・ボガードが言うんだよ。「モントゴメリー元帥はお喜びだよ」「作戦の90%は成功だよ」とかね。で、部下8,000人を失ったショーン・コネリーが激怒して「あなた自身はどう思ってるんだ!」って訊くと、「私は最初から遠すぎた橋だと思っていたよ」って答えるんだよね。平然と。

私がこの作品を観ていつも思うんだけど、こういう事って会社でよくあるってこと。社長が(上司でもいいや)ほとんど思いつきで始めた事業があって、現場は必死になって実行しようとするんだけど、そもそものプランが間違っているから上手く行かない。で、失敗する。で、現場は責任者以下、全員疲労困憊した上に評価されない。で担当の上司に言うんだよ。「そもそもの計画に無理があったのに」。担当の上司は平然と「社長はお喜びだよ」「私は最初から無理だと思ってたけどね」

ホント、こういうことって会社では日常茶飯事に起こっている。中止できる権限がある人間が、現場じゃなくて上を見てばかりいるとこういうことが起こる

ということで、非常に身につまされる映画なのでした。サラリーマン必見の映画。自分がダーク・ボガード役にならないように、という自省の意味も含めて。ということでアフィリエイトを貼っておきます。