ハトコのたわ言

趣味に生きる隠居のたわ言集です

東京藝術大学大学美術館で『大吉原展』を観る

福田美蘭《大吉原展》 2024 年 作家蔵

私のほぼ同年代のアーティスト!福田美蘭さんの『大吉原展』ポスター?的な作品。『大吉原展』のロゴがおもしろかったのでそれを大胆に使用したそうな。https://daiyoshiwara2024.jp/highlight.html から引用。

 

 『吉原』というものを美化しすぎであるという非難が出て(悪い意味で)話題になっている『大吉原展』を東京は上野、東京藝術大学大学美術館に観に行った。

 先週金曜、4月19日。天気は曇りがちでそこまで気温は上がってなかったけど、展覧会はかなり混んでいた。そして若い人からお年を召した人まで、女性の観客が非常に多かった(8割方?)のが印象的(どの美術展も女性比率は高いもんだけど特に高かった感じ)

 「江戸アメイヂング」という当初の副題は既に現時点で削除されているようだ。確かに無神経な言葉なのは間違いない。「たんなる売春街ではなかった」というのを強調したかった、流行や文化の発信基地だったとか、江戸文化の華だったとか、そういう趣旨なのは分かるんだけど。

 

 で、展覧会自体は、実に興味深い大英博物館から里帰りした作品もそこそこあったし、勉強になる・・・そう、私は、日本の江戸期以前の美術作品についての基本的な知識を欠いているので、良く分からないんだよね。

 浮世絵で描かれる女性に美しさも良くワカラン。

 妙に縦長の輪郭、まつげもない細い一重の目、申し訳程度のおちょぼ口

 さらに渓斎英泉の美人画なんて、ヘンに黒目がズレてるような・・・どこ向いてる?

 様式美なんだろうし記号化しているものなので、たとえば今の漫画における女性キャラ(男性キャラもそうだが)が現実の人間と違う風に違かれているのと似た現象というのは分かるんだけど・・・

高橋由一《花魁》[重要文化財 ] 明治5年(1872) 東京藝術大学

高橋由一 『花魁』[重要文化財] (1872)東京藝術大学

 幕末から活動している、日本の洋画の先駆け高橋由一作の上の『花魁』 も展示されていて、描かれた本人はWikipediaによれば『「わちきはこんな顔ではありんせん」と、泣いて怒ったという逸話が伝えられている』そうな。西洋的なリアルだとこんな感じだった?でもこれはこれで極端なような・・・

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 混んでいることが気にならないくらい、『観たことないモノを観てる』楽しみがあったが、浮世絵や錦絵に関する勉強に未だ手が着いていない状況だったので、消化できない部分も大きかった、というのが正直な感想。

 なので展覧会の図録を買ったんだけど、この展覧会の図録は特にでかくて重い。前項目でも書いたけど図録はデジタルで買えるオプションがあって欲しい

 会期は5月19日まで。いろいろ考えさせられるし、日本文化の勉強にもなるのでお勧めです。