ハトコのたわ言

趣味に生きる隠居のたわ言集です

平塚市美術館で『新収蔵品展 特集展示:藤田嗣治の初期作品』を観る/展覧会で写真が撮れなかったことについて

平塚市美術館の外観。何せ出展作品は撮影できないので出せるビジュアルはこれくらい

 先日、2月9日(金)神奈川県平塚市にある、平塚市美術館へ『新収蔵品展 特集展示:藤田嗣治の初期作品』を観に行った。

 ぶっちゃけ西東京市に住む私の家からそこそこ遠い。直線距離なら46km。オートバイで高速使わず下道で行くと約60km、2時間以上かかる。電車なら1時間半以上・運賃は片道1,600円はかかる。

 で、なぜ遠路はるばる訪問したかと言えば、もののついででだったから。

 主目的は平塚の先(西側)、二宮町の『吾妻山公園』に菜の花越しの富士山を見物にオートバイで行く予定がそもそもあったから。

 で、ちょうど2月6日(火)の朝日新聞夕刊に平塚市美術館での美術展(藤田嗣治の初期作品についての記事)が出ていたので、ついでに絵も観てゆこうとなった。

 ちなみに菜の花越しの富士山はこんな感じ。

 そう、残念ながら私が訪れた2月9日13時頃は富士山がちょうど雲に隠れて見えなかったのでした。二宮町までの道中では見えたんだけど・・・待っていたら見えるかもしれないとちょっとネバったんだけど・・・結局見れなかった(雲が無ければ写真のやや右側、奥の山のさらに向こう、手前の山の上に見えたはずだったのに・・・)。天気自体は良くて、湘南の方にオートバイに乗って行くこと自体は楽しめたんだけどね。

 

 ということでついでの方の平塚市美術館。二宮からオートバイで30分もかからないので14時半くらいについた。

 入館料はわずか200円。安い! なんだけど・・・

 来館者はほとんどいない。藤田嗣治の小企画前にちょっといたくらいで、二桁いるかいないか程度。

 藤田の小企画に関しては良かった。渡仏前、美学校時代の作品で、新たに平塚市美術館に寄託され、藤田の作品と同定された『おことさん』という作品がメインで、その時代の藤田の他の作品や、同時代の他の作家の絵も展示されていたんだけど・・・ともかく作品数が少ない。藤田のちゃんとした作品は上記『おことさん』を加えても4枚だけ(他の3枚は東京藝大から借りて展示。ちなみにこの展覧会で平塚市美術館以外の収蔵作品はその3枚だけ)。同時代の他の作家の絵もこれといった作品が見当たらず、本当に小企画。まあ200円だからしょうがないか・・・でももう少しボリュームが欲しかった。

 

 で、メインの『新収蔵品展』。

 新収蔵品展、とあるが、作品の傾向はバラバラ(具象あり抽象ありシュールっぽいのもポップなものもあり)で散漫な印象。ポリシーがあって集めている、という感じは受けない。地元(大磯町も含め湘南地域全体)にユカリがあるものだけでもないようだし。この平塚市美術館はどういった方針でコレクションしてるんだろうと非常に疑問。

 で、後になって作品リストを見て気づいたんだけど。

 新収蔵の全41作品、すべて寄贈か寄託されたものでした。

 ポリシーがあって集めているのではなく、今は頂いたモノを収蔵しているだけのようだ(もちろん取捨選択はしているんだろうけど)。つまりはお金を掛けてコレクションはしていないということ。

 なんで人口26万人弱の平塚市が美術館を持っているのか、正直、謎だったが、コレクションにお金はかけていないということか。これって箱物行政・・・?

 そして収蔵作品の展覧会なのに写真撮影が出来ない

 自治体がやっている美術館で、これは今時珍しい(悪い意味で)。今は個人美術館以外のほとんどの展覧会では写真撮影は可能になっていることが多い(個人美術館でも撮影可能な所もある)。日本の他の美術館から借りてきた作品が部分的に撮影禁止になってたりするくらいである。それなのに・・・

 むちゃくちゃ残念。忘れちゃうんだよね、撮影できないと。

 

 ということであさっての日曜日(2月18日)まで開催だけど、お近くの方以外は、無理して観に行く必要はないと言える展覧会でした。