ハトコのたわ言

趣味に生きる隠居のたわ言集です

DTMシステム移行で被った、不条理で理不尽な出来事について (3)英語ライブラリで日本語を歌わせるためにVOCALOID Editor4.0を経由する

<前項目DTMシステム移行で被った、不条理で理不尽な出来事について (2)Win10+64bit環境で、VOCALOID2.0の歌手に歌ってもらうにはの続き>

 

さて、昨年(2019年)8月中旬に、VOCALOIDの過去の音声ライブラリのPrimaTonioをWin10+64bit環境で使うために、クリプトン・フューチャー・メディアPiaporo StadioというVOCALOID用のエディタを使えば、VSTインストゥルメントとしてVocaloid2.0の音声ライブラリをVocaloid3.0以降の64bit用のライブラリに変換してCakewalk上で使用できることが判明、そのPiaporo Stadio入手のためバンドルして付いている「巡音ルカV4X」を購入、ところが巡音ルカの歌声が良くて、Prima/Tonioを使い込む前に、巡音ルカで1曲つくることになった、というのが前回の話。


「いつまでも続く、透き通ったしらべに」(2014/2019) Second Cousin's Light Orchestra feat. 巡音ルカ【オリジナル】

既にインストの曲として出来ているとは言え、①新しい環境(Win10+64bit+Cakewalk by BandLab)で作業するのは初めて、②日本語の音声ライブラリでVOCALOIDの曲を作るのも初めて、③そもそも歌詞を書くのが嫌い、などと悪条件も重なり、8月下旬から始まった作業が終わったのは10月末(YouTubeにアップしたのは大滝詠一さんの七回忌にあたる12月)。

 

ということで2019年10月末から、それまでペンディングにしていた楽曲


「君の髪があやしく絡まりうねる」(2018/2019/2020)【オリジナル】

結局自分で歌うには難しすぎたこの曲をTonioに歌わせる作業に入りました。

 

最初に直面した問題は、Piaporo Stadioは英語辞書を持っていないこと。

日本語ライブラリであれば、日本語(かな)を入れれば、それに応じたVOCALOID用の発音記号に変換してくれますが、英語ライブラリの場合、日本語をローマ字入力しても英語の発音にはなりません。

これは英語が表音文字のくせして発音と綴りがかけ離れている、という日本語話者からすればしょうもない問題に行き着きます(英語のaの発音はエーe、iの発音はアイーai、とかともかくメチャクチャ)。

そのため、VOCALOID用の英語辞書に、日本語「ふぁ」ならそのローマ字表記「fa」を英単語と見立ててそのVOCALOID用の発音記号を「f V」とする、というような辞書登録を日本語の50音分(だけでなく、「ぎゃ」とかそういう日本語でありえる音節全部に対して)作っておけば、日本語のローマ字に対応した英語の発音記号が設定されるのです。VOCALOID2.0時代はそうやって行っていたのですが・・・

Piaporo Stadioは英語辞書を持っていないので、この手法が使えない。

が、そこで思い出したのが前項目で無駄になったと思われたVOCALOID Editor4.0VSTインストゥルメントとして組み込めないので今後使うことはないだろうと思っていましたが、VOCALOID2.0には英語辞書がついていたから、4.0にも付いているであろうとチェックしてみると・・・やっぱり付いていた!

ということで、一旦、VOCALOID Editor4.0で、その英語辞書に、日本語のローマ字表記を英単語と見立ててそのVOCALOID用の発音記号を辞書登録してゆくという面倒くさい作業を行い(2.0で使っていた辞書はマシン移行の際に行方不明になってしまっていたため。実はここに危機的な問題が隠れていたのだが)、それから汎用MIDIデータで歌わせるメロディのデータをVOCALOID Editor4.0に読み込ませ、日本語ローマ字で歌詞を流し込み、Piaporo Stadioで使えるファイル形式で保存する。

これによりPiaporo Stadioで使える英語発音記号に置き換えることに成功。

新システムでTonioが歌う準備は整ったと思われた・・・これから最悪の事態が起こるとはこの時点では夢にも思っていませんでした。

<次回に続く>