ハトコのたわ言

趣味に生きる隠居のたわ言集です

映画『RRR』を観て/凄かった!楽しんだ!

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昨晩(2023年1月13日)、話題のインド映画「RRR」を観た。

いや、ホント面白かった! 3時間超の上映時間を(ほぼ)忘れるほど楽しめた!

以下ネタバレあります。

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最初はUKインド総督の不必要にムチャクチャな残酷さとか、主人公の一人であるラーマがものすごい大勢のデモ隊の中から首謀者を単身で捕まえてくるトンデモない強さとか「こんなヤツいない、こんなことありえない」みたいなツッコミを心の中で入れていたんだけど、もう一人の主人公ビームが素手で虎と戦う!ころになると「ああ、これはリアルを追求する映画じゃなくて(英国の圧政、みたいな入り口なので最初は誤解しちゃうよね)、往年の、少年ジャンプのマンガのような荒唐無稽さを受け入れれば良かったのね」と分かり、そこから抵抗なく楽しめるようになった。

そしてその荒唐無稽さが、どんどんパワーアップして行く!

特に最後の戦いで、神が乗り移って!(まるで聖闘士星矢の世界のよう)英国軍を弓矢と槍で倒してゆくシーンとか(上のポスターはその時のビジュアル)、ムチャクチャというかワルノリに近いんだけど、映像的にはちゃんとキチンと作っているからちゃっちくないし、浅く見えない。観てる方は笑いながらも圧倒される。

いや、ほんと凄かった!

エンタテインメント作品として素晴らしく優秀、というかサービス精神が旺盛。ともかくCGを駆使した(んだろう)映像が凝っているし、格闘シーンも、ダンスも、音楽も、音響も、ともかく盛りだくさんなんだけど、どこをとってもクオリティが高い。それもアーティスティックというよりエンタテインメントとして消化しきっている。

感動する作品ではないけれど、半端なく興奮できる!

手に汗握って、笑って、泣けて、そして勧善懲悪モノを観終えたあとのカタルシス

ホント、映画館に観に行って良かった。

過去に観たすべてのアクション映画でもかなり上位に入ると思う。

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ちょっとこの映画から離れるけど、観た後に思った事を。

この映画を映画館で観るメリットは、自宅で映画を観るより映画館で観る方が圧倒的に音響が良いことだと思うが(観た映画館はミニシアターだったのでスクリーンは小さく、「大画面」で観る楽しみはそれほどない)、それだけじゃない。

映画館で映画を観るということは、ダレたりする部分があっても早送りできないし、観始めたら「うゎ、好みじゃナイ」と思ってもよっぽどヒドくなければ最後まで観続けなければいけない。もちろん家で観るより料金も高いから元取らなきゃと思うから。

なので、割りにドウデモいいと思うシーンもちゃんと観ることになる。

そう、この映画だとミュージカル部分、歌って踊るシーンは、家で観ていたらとばしてしまう可能性がある。なんだけど、これってインド映画の王道で、とばすのはもったいないシーンなんだよね、ムチャクチャお金もかかっているし、馴れていればこれはこれで面白い

インド映画の王道、とか言ったけど、私がちゃんと観たインド映画って「ムトゥ 踊るマハラジャ」くらい。それも劇場ではなくレンタルしたビデオテープ!で。調べてみると1998年の作品だから四半世紀前、前世紀の作品。

ビデオテープ時代は、ヘッドとテープが傷むので余り早送りができなかったしチャプターでとばす事ももちろん出来ない。が、逆にそれが功を奏して歌って踊るシーンもちゃんと観ていて、「これはこういうもので、それなりに面白い」と知っていたので、今回も歌って踊るシーン、「来ました来ました!」みたいに楽しめた。

つまり何が言いたいかと言えば、今流行の言葉「タイパ」とやらで言えば、一見、映画館で映画を観るのはタイムパフォーマンスが悪いようでいて、そうではないということ。

難解系と言うかアート系というか、そういう映画を配信とかレンタルしたディスクで観ると、とばし気味になったり、ガマンできなくなって途中で観るのを止めたりしちゃうことが私は正直多い。最後まで観続ければ面白くなる可能性が高いのに(もともと何かしらで評判になった映画を観るわけだから)。そういう映画は映画館で観るべきなのかもしれないと思っていたけど、こういうエンタテインメント系の映画でも、とばさない(とばせない)映画館で観る方がより味わい深く楽しめるっていうことに今回思い至った。

まあ最後まで観て「金と時間を返せ!」と思う映画も多々あるんだけどね

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もとい。

「RRR」に話を戻す。というか「踊るマハラジャ」との比較になるんだけど、インド映画ってちゃんとスケールアップしてるというか、全てのレベルがちゃんと上がっているのに驚いた。「踊るマハラジャ」は確かに面白かったけど、今思えば映像処理では拙い部分も目立っていた。が、「RRR」はそういうところが見当たらない。

あと、音楽もアップデートしていた。ラップ的なノリが入っていてちゃんと今日的なものとして楽しめた(インド音楽テーストも残しつつ)。

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「往年のジャンプ作品のような世界」と思って観ていたのは前述したが、その連想で「実写と言うより良く出来たアニメっぽい映像表現でもあるな」とも思ったし、「日本でこういう変幻自在な映像作品を作るなら実写じゃなくてアニメになるんだろうな」というか「邦画で、映像表現として世界に伍して戦えるのは、アニメやそこ出身の庵野秀明が作る映画くらいなんだろうな」とかも思った。

それに日本じゃこういうエンタテインメント大作ってもう出来ないんだろう。過去に実現したのも黒澤明くらいなもんだろうし、という悲しい感想も持ったが。

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ちなみにこの映画は「アップリンク吉祥寺」で観た。吉祥寺へは自宅からバス1本で観に行けるのだけど、この映画館で観るのは初めて。

吉祥寺パルコ地下2Fに2018年の年末に出来たのは知っていたが、1年弱でコロナ禍になったし、大きいスクリーンで観られるものならそっちの映画館で観たいし、社長のパワハラが有名になっちゃってイメージは良くなかった。なので行く機会がなかった。

今回も立川のシネマシティに観に行きたかったし(爆音とかで観れる)、何度も予約はしたのだが、この寒空の中に立川に行くのがツラくてこっちで観る事になってしまった。

が、結論から言えば、想像していたよりはスクリーンは大きかったし音響も良かった。まあそこは最近出来た映画館なので当然なのかな。

あと上映している映画のラインナップがミニシアター的なモノと、メジャー作品が混在していてちょっと不思議。「THE FIRST SLAM DUNK」もかかっていたし。

で、この「RRR」はめちゃくちゃ混んでた。80席弱くらいの客席数だったけどほぼほぼ満席。客層はバラバラだったけど、夜8時くらいまで上映するので、若い子はあまりいなかった印象。

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さて、中断していた「Blog休止中に観た映画についての感想」シリーズはあと「トップガン マーヴェリック」「ブライアンウィルソン 約束の旅路が残り、ぼやぼやしている間に「THE FIRST SLAM DUNK」も観てしまった。

映画の感想くらいちゃんと書き残しておきたいのに、と思う今日この頃。