ハトコのたわ言

趣味に生きる隠居のたわ言集です

岡本太郎記念館に行ってみた(1)その前に『明日の神話』の実物を観に行く

 2023年備忘録シリーズはいったんお休みして今年観たものを先出し。

 先々週の金曜日、1月26日に南青山にある岡本太郎記念館に『明日の神話太陽の塔』展を観に行った。

 2022年秋に東京都美術館で『展覧会 岡本太郎』を観てから、少なからず私の中で岡本太郎熱に火が付いたんだけど、その時、川崎市岡本太郎美術館とこの岡本太郎記念館が多くの作品を貸し出してたのをチェックしていた(それについては下記記事参照)。

 なので、2023年には川崎市岡本太郎美術館には2度ほど行って、大変楽しんだんだけど(自転車で運動するにはちょうとよい距離だし、美術館がある生田緑地って夏に行くととても気持ちよいところなのに川崎市民にしかあまり知られていないらしく?穴場感あり/これについては別述予定)、岡本太郎記念館岡本太郎の自宅を美術館にしたものでそれほど大きくなく、それも自宅だったので「靴を脱いで上がる」系の美術館ということで後回しにしていた。

 なんだけど、現在やっている企画展『明日の神話太陽の塔』は是非観ておきたかったので、今回足を運ぶこととなった。

 

 一般には『太陽の塔』の方が圧倒的に有名だと思うけど、『明日の神話』もそれに並ぶ代表作とされているらしい。メキシコで発注されて1968-69年に制作されたんだけど、現地でいったん失われてしまって(依頼主で展示される予定のホテルが倒産)、太郎の死後2003年に『画家の岡本太郎のパートナーであり、養女。実質的な妻でもあった』(by Wikipedia岡本敏子が発見。その死後2008年に渋谷駅への展示へ展示され、で、昨年2023年10月から大規模改修に入り、しばらくは年に数度、足場をかけて修繕が行われるとのこと(この時は行われてなかったが)。

 というようなことは、『展覧会 岡本太郎』の時から知っていたんだけど、渋谷駅にあるという現物を観たことがなかったので、今回、岡本太郎記念館の前に観に行くことにした。

 正確にはJR渋谷駅ではなく、井の頭線渋谷駅の駅ビルである渋谷マークシティの2F、JR渋谷駅への連絡通路入口付近にある。この写真は当日の1月26日、3Fのエスカレーター踊り場から撮った前景。柱を見ずに絵全体を観ることがほぼ出来ないほど巨大なのには正直驚かされたともかくデカい!縦5.5m✕横30mあるらしい。

 ちなみに現時点では絵の左下にJRとの連絡通路があるが、渋谷駅全体が改造中なので将来的には真っ直ぐ奥の方に連絡されるように思える(調べたわけではないが)。

 

作品中央の核兵器で焼かれる人間。この絵の下を大勢の人が通るが、ほぼ誰もそれを意識してないだろう

 で、巨大な作品なんだけど、残念ながら上の方の写真で分かるように、近くでまざまざと観られない!なので材質の感じとか、凹凸とか(結構ある)が分かりにくい。

 元々パブリックアートを目的とした作品だから美術館ではなく市中に置くのはある面では正しいと思う。だけど破損や汚れを恐れて人の手が届くところに置かない=近くでまじまじと観られないのはそれはそれで問題ある、と私は思う。

 そこそこ安全で、じっくり観られるような場所が他になかったのか、と。

 で、実際はいろんな角度で写真を撮っていたんだけど、私以外ほぼ誰も太郎の作品を観ていなかった。

 絵の反対側には世界的に有名な日本のアイコンの一つ?の 渋谷のスクランブル交差点があり、絵の前で待ち合わせている人たちはだいたいそっちを見ている。

 そして、私もなんか居たたまれない、というかじっくり見ている行為自体が、なんか恥ずかしく感じられ(『美術鑑賞してます理解してます』みたいな鼻につく行為っぽいから?でもそういう私に注目する人がいるわけでもないのに)、たくさん写真を撮った割に作品自体をじっくり観られなかった。今思い出しても実に不思議な経験。

反対側。渋谷のスクランブル交差点。

 その後、半蔵門線表参道駅へ。

 地下鉄駅から地上に出ると、明らかに街の雰囲気が違う。日本の他のどことも違う雰囲気。街を行く女性とすれ違うと香水か化粧品の匂いがし、太郎記念館の方に歩いて行くと、プラダのものすごい建物があったりする。

現代スイス建築を代表する建築家による店舗だそうだ。めちゃくちゃ斬新だけど、構造的に地震大国の日本で大丈夫かと、ちょっと心配になる。

 町並みはめちゃくちゃハイソな感じで、岡本太郎、どこまで金持ちだった?とか一瞬思うけど、太郎の両親は共に著名人(漫画家の岡本一平歌人・小説家の岡本かの子)で、父の岡本一平から相続した土地だそうな。戦前に買われた物だから、そもそも東京の中心でもなんでもなかったわけだし、今の青山とは全然違うんだろう。今は個人宅などほとんど残ってなく、裏道に入っても商業ビルか高級マンションだらけなんだけど。

 で、表参道駅出口からおよそ10分弱(距離的には600m前後)歩いて本題の岡本太郎記念館に着いた。

(次項へ続く)