ハトコのたわ言

趣味に生きる隠居のたわ言集です

019 ラーション 交響曲第1番&2番

ラーション交響曲第1番&2番

ラーション(1908-1986) 交響曲第1番/第2番
H-P フランク/ヘルシンボリ交響楽団

 

このブログを書くきっかけともなった、鈴木康之・矢口正巳著「無名名曲鑑賞会」で紹介されていたモノ。

完全に20世紀を生きたのに、20世紀の実験的な音楽を全く無視して、19世紀後半からの流れをそのまま受け継ぎ、ノビノビと(としか言いようがない)作ったと思われる交響曲第1番は、正直、本当に素晴らしいと思う。作品2なので、習作っぽいといえばそうなんだけど、メロディもオーケストレーションも素朴で破綻がない。20世紀に生きた、っていう情報さえなければ全く問題なくオーケストラのレパートリーに加わってもいいのに。実にもったいない。
第1番は循環形式なのか、最初に出てくるメロディが第4楽章でも出てくるんだけど、そのメロディが素朴で(ナチュラル!)作り物めいた感じがしない。こういうのに私は癒されるんだよね。ともかくこの1番だけでもお勧め。

第2番は1番とうってかわって「悲劇的」と形容してもいい曲なんだけど、こってりしてない。それは主調が短調なだけで、小難しい事をやろうというのではないからで、好感もてる。曲を締めくくるにふさわしい対位法的フィナーレの第3楽章などもなかなか聴かせます。

ちなみに、「無名名曲鑑賞会」によると、若い頃、ウィーンでベルクに師事したこともあり、12音技法の曲なども作ったようです。が、この1枚を聴いているとそんな陰はまったく見受けられません。

ちなみに第3番というのもあるようなので、Amazonに発注かけました。入手して良いモノだったらまたご紹介します。