ハトコのたわ言

趣味に生きる隠居のたわ言集です

033 アッテルベリ バイオリン協奏曲 他

アッテルベリ バイオリン協奏曲

アッテルベリのCDを紹介するのもあとこれを含めて2枚しか残っていないかと思うと残念。早く新ネタ仕入れないと書くことがなくなる・・・という事情はおいといて、早速曲紹介。

ちなみにcpoレーベルで出ているんだけど、指揮者がラシライネンじゃなくて、ロジャー・エップルという人が振っている。ベルリン放送交響楽団、バイオリンソロはウルフ・ヴァリン。

【ヴェルムランド狂詩曲 Op.36】
op.38と同じ主題?というか同じような曲。アッテルベリらしく唄い、そして切ない。厳かな悲しみと不思議な懐かしさ満ちた名曲?。アッテルベリには珍しい?アダージョの名曲かと思って聴いていたら、5'29"ごろから妙に盛り上がり(悪いわけではないけど)になる、不思議な曲。7’40”くらいからのコーダはまた静かになるんだけど。
【バイオリン協奏曲 Op.7】
アッテルベリはバイオリン協奏曲でも盛り上がるのか!ともかくバイオリンが唄いまくる!オーケストレーション交響曲でのアッテルベリほど派手派手しくないけど、ともかく心動かされる、揺らぶらされる。
第1楽章は、バイオリン協奏曲「らしく」少しメランコリックでありながら基本的にはアッテルベリ「らしく」明るみを帯びて心に沁みてゆく美しいメロディが紡がれ、カデンツァなんて、何度聞いても切ない気持ちにさせてくれ、そして激しく終わる。

第2楽章はクワイエットでちょっと素朴で、でも瞑想的で、でもメロディを紡いでいるうちに情熱的になり、そしてナチュラル(素朴ってこと)に終わる。

切れ目なく始まる第3楽章は第1楽章のテーマが勇壮に帰ってきて始まり徐々に盛り上がってゆく。そしてクワイエットなコーダの天上的な響きを聴くのはまさに至福の一時。
ピアノ協奏曲もそうだけど、アッテルベリはテラいなく、唄い、そして叫ぶよね。そこが私の「暁期ロマン派」と呼ぶところのゆえんなんだけど、作品7にしてこの「恥ずかしげもない」メロディ!これこそが今の時代に求められているんじゃないか?と思わせるような気がしてならない。生まれたときが悪かった!1世紀たってみれば、ドボルザークとかと比較して全く遜色ないじゃない!あとピアノ協奏曲よりバイオリンが「腕力」的じゃなくて、より活きているという意味ではより素晴らしいんじゃないかと思う。オケがしつこくないから、バイオリンが引き立っている。私が命名した?「現代三大バイオリン協奏曲」(バーバー・コルンコルド・ヴォルトン)とは系譜が違うけど、普通にコンサートで演奏しても違和感がないんじゃないのと思わせる名曲。
【演奏会用序曲 Op.4】
交響曲の1楽章と4楽章を合わせたような曲。イマイチかな・・・エンディングは格好いいんだけど・・・

ということでこのCDは買い!ともかくバイオリン協奏曲は素晴らしいの一言に尽きます。