ハトコのたわ言

趣味に生きる隠居のたわ言集です

042 モーラン バイオリン協奏曲&チェロ協奏曲

無名名曲アルバム-モーラン バイオリン協奏曲&チェロ協奏曲

モーラン バイオリン協奏曲&チェロ協奏曲

CHANDOS CHAN10168

いや~あっという間に終わってしまいましたね、GW。寝正月でなくて寝GWと言う感じで、眠ってばかりいました、田無の生家に帰る以外は。少しは部屋の掃除とかしたかったんだけどな。

で、その田無の生家に帰っている間、結構暇だったので、この「無名名曲アルバム」のブログネタになりそうなネタを仕込んで参りました。

モーランのバイオリン協奏曲、これは名曲!味わい深いメロディと、どこか懐かしげなオーケストレーション。だいたい、第1楽章の入り方からやられますね。すごく格好良くて、でもバイオリンもオケも歌いまくっていて。ヴォーン・ウィリアムズ の「揚げひばり」を思い出したりします。

Wikipediaによればモーランは「イギリス民謡に大きな影響を受けた最後の作曲家の一人であり、ディーリアスやヴォーン・ウィリアムズ、アイアランドといった叙情的作曲家と同じグループに属する」とあるんで似たところもあるんだろうけど、でもホント、このバイオリン協奏曲はいい!演奏も録音もいい!曲の作り方も変わっていて、アレグロモデラート(若干速め)の第1楽章に、すごくリズミカルな第2楽章、でレントの第3楽章で閉めるっていう協奏曲としては一風変わった構成をしているけど、だから第3楽章が実際以上?に映える、という感じがする。
うってかわってチェロ協奏曲は暗い情熱に満ちた第1楽章、緊張感に満ちた出だしから、いかにもチェロ協奏曲って感じの「広さ」を感じさせながら歌いきる第2楽章(この楽章はいい!)で、チェロのソロから第3楽章になだれ込む。この第3楽章もスケールがでかくて、チェロは歌いまくってすごくいい。第1楽章がイマイチなのでそこで帰っちゃいけませんよお客さん、って感じの曲。
あと2曲ばかり入っていますが、それはおまけってことで。

ともかく理屈抜きに楽しめる、お勧めの1枚。
無名名曲アルバム-モーラン バイオリン協奏曲 他

で、モーランを絶賛してしまっているんだけど、こっちのCD(Lyrita SRCD.248Lyrita SRCD.248)でのバイオリン協奏曲はそんなに良く聞こえないのがクラッシックの不思議。
演奏力の差なのか、解釈の違いなのか・・・ということでCHANDOSのアルバムはお薦めするけど、Lyritaの方は調味料が利きすぎていて今ひとつしっくり来ない(素材がいいんだから変な味付け不要なのに)。演出過剰というか。モーランの良さって、清楚な味わいの中に、美しいメロディーが隠されているようなのが良い演奏だと思うんだけどね。でも第3楽章は悪くない。
しかしLyritaの方も悪いことばかりじゃない。併録の「ラプソディー第2番」は、中々いい曲。ロマンティックで、メロディも美しいし、良い意味で「前衛」の欠片もない(13’19”)。
「ピアノとオーケストラのためのラプソディ」は変な曲。もっとピアノコンチェルト風の曲を予想させるタイトルなんだけど、ピアノはピアノ、オケはオケであまり有機的に絡まない。部分的に美しいところはあるんだけど、全体を通して奇妙さが漂う(一種のユーモアなのかな)曲なのでした(19’14”)。
お金と暇がある人なら購入しても損はしないけど、そんな人は中々いないと思うのでこちらは推薦せず。あきらかにチェロ協奏曲とカップリングされているCHANDOSの方をお勧めします。