ハトコのたわ言

趣味に生きる隠居のたわ言集です

043 モーラン ノクターン 他

無名名曲アルバム-モーラン ノクターン 他

調子に乗ってモーランのCHANDOSから出ているアルバムをもう1枚紹介。CHANDOS CHAN 10235

第1曲目の「セレナード ト長調」は、まるでヘンデルの「王宮の花火の音楽」みたいな華やかさもあり、それでいて素朴で、すごくいい曲じゃないんだけど悪くはないってところ。全8章からなっていて23’40”の曲。
第2曲目の「交響的印象 In the Mountain Country」、部分的に良いんだけど、全体が統一されていない感じで個人的にはいまいち。
第3曲目の「ラプソディ No.1」は、まさらにモーラン節(シャレか!)そのもの。可憐な部分もあるし、男性的な部分もある。実に格好いいし、心地よい曲。
第4曲目の「ラプソディ No.2」は、前回Lyritaのアルバムで取り上げているけど、中々いい曲(ただし前半がちょっと退屈)。ロマンティックで、メロディも美しいし、格好いい。ただし、「ラプソディ」というタイトルは相応しくないと思うけど。もっと不健康な「狂詩曲」をイメージしちゃうけど、これは実に明朗なんだよな、妖精的なきらめきはあるけどね。

日本じゃあり得ないと思うけど「モーラン・ナイト」とか言うコンサートがあれば、まあ第1曲目の候補だね。第2曲目がバイオリン協奏曲で、それでトリが交響曲。そんなコンサートがあったら行っちゃうんだけどな(でもあってもマイナーすぎて気が付かないかも)。
そして第5曲目の「ノクターン バリトンと合唱とオーケストラのための」。13’26”じっくり楽しんで下さい。美しい、美しすぎるくらい。この1曲を聴くためだけにこのアルバムを買う価値があります。自然の静寂と美しさについての歌詞(たぶん:翻訳ソフトによれば)がバリトンによって歌われて、伴奏の合唱と溶け合い、静寂と、激情が織りなす妙なる楽曲。まあ、この組合せ(モーラン作曲、ノクターンと言うタイトル、独唱と合唱とオケという編成)でいけば、聴く前から良い曲になること間違いないと思ってたけど、本当に良い曲。生きている内にこの曲と出会って良かった。

 

実質的にモーランのオーケストラ作品ってNAXOSから出ている交響曲1枚とCHANDOSから出ているバイオリン&チェロ協奏曲とこのアルバムの3枚「しかない」。もっと多作家だったら良かったのに、とか思いますね、今の正直な気持ちを言うと。これほど気持ちよくさせてくれる20世紀を生きた作曲家って実にありがたい。もっと聴きたい気持ちにさせてくれます。ということでモーランシリーズは今回で終了。