ハトコのたわ言

趣味に生きる隠居のたわ言集です

044 シュミット=コワルスキー 交響曲第3番&チェロ協奏曲

無名名曲アルバム-シュミット=コワルスキー 交響曲第3番

Naxos 8.551212 作曲家のトーマス・シュミット=コワルスキーはWikiで調べても、ググっても日本語の情報がほとんどない。どうやらライナーノーツを見るとどうやらドイツ人らしい(ドイツで生まれただけかもしれないが)。
1949年生まれということは現在60歳。どう考えても現役の作曲家である。
ナクソスのうたい文句は「知られざる極上ロマン派発掘かと思いきや・・・」そう、交響曲はまさにブルックナーの未発掘の交響曲だと言われてもそんなに(あくまでも「そんなに」だけど)違和感ない音楽。「暁期ロマン派」の星!と言いたいところだけど、トーマスさんは本気で書いているのか不安になるんだよね。パロディで書いていて、裏で舌を出しているような気がしてならないのは僕がつまらん音楽を聴きすぎてきたからひねくれてしまったのか?
ああ、これに素直に感動したかった。というか、僕はこのアルバムを何度も聴き直してみたんだけど、おちょくって書いている感じはしないから、トーマスさんの事を信じたい。信じたいけどここまで現代人としての暗黒面?が見あたらないし、退廃的な匂いもしないのは、やっぱりおかしい気がしてならない。だけど・・・ということで理性を捨てて耳を信じて推薦しましょう。
3楽章形式でできている交響曲第3番。ブルックナーの未完の第9番と同じく、アレグロ→スケルツオ→アダージョで出来ていて、ブルックナーほど神々しくはないけど、逆に程よく俗っぽくて、親しみが持てる。 そう、実に良いのですよ、素直に。メロディは美しく、パッセージはカッコよく、管弦楽法も堂々としているし。これが素直に良いと感じられないのが悔しい。特に第3楽章の盛り上げ方は、堂に行ってて、素直に感動したくなる。
そしてチェロ協奏曲。シュミット=コワルスキーがホンモノだとすると、結構イケてる様に聞こえるから不思議。第1楽章のカデンツァなんてバッハっぽくて笑っちゃいそうになるけど、堂々とチェロが歌い、メロディも美しい。第2楽章のアダージョもチェロが、懐かしげで夕映えを眺めている時に聞こえてくるようなメロディを歌いまくる。第3楽章はなぜかタンゴ?っぽいリズムで始まる第1主題、懐かしげな第2主題が情熱的に盛り上げる。
そう、音楽って美しくて楽しくて聴いていて気持ちよくなったりするもんであることを再確認させてくれる一枚、と信じておきましょう。後は聴いた人にお任せします。

が、アマゾンリンクを貼りたかったんだけど出てこなかったのですね。HMVのサイトでは売ってました。入手可能な内に?聴いておいて損はしないですぜ。