ハトコのたわ言

趣味に生きる隠居のたわ言集です

やっとウディ・アレンの「僕のニューヨークライフ」を観る

僕のニューヨークライフ

以前(2006年8月26日)、アレンの「マッチポイント」を観た時に書いたんだんだけど、「アニーホール」以来、アレンの新作を映画館で観なかったのはこれが始めて。完全に見逃していた。

それでDVDで7月に出たんで、やっと「僕のニューヨークライフ」(anything eles)を観れた。

お話としては、キュートだけど情緒不安定な女性(クリスティーナ・リッチが演じている)に引かれてトラブルに巻き込まれるコメディライターの話なんだけど、ちょっと驚いたのは、そのコメディライターはアレンの自演じゃないってこと。若い俳優(ジェイソン・ビックス)がやっていて、アレンは彼の指南役というか助言役なんだよね。

アレンも70歳、この話の主人公は無理か・・・でも、いくつになっても迷い続けるエロじじい(狒狒じじいとも言う)を演じればいいのに。だからかもしれないけど、クリスティーナ・リッチも主人公もすごく突き放して描かれていて、映画にのめり込めないんだよな。

映画のパンフ(「マッチポイント」を観た時に買っていた)にある通り、映画の内容自体はまさに不朽の名作「アニーホール」そのものと言って良いのに、クリスティーナ・リッチダイアン・キートンほど魅力的に写ってないし(エロティックではあるけどね)、主人公のコメディライターはウディ・アレンほど晦渋な性格をもたされていないし。従ってちょっと笑えるけど、すごく笑えないし、登場人物の誰にもシンパシーを持てないから楽しくもジンと来たりもしないんだよね。これがアレン最後のアメリカ映画とは残念。

ちなみにアレンの映画のDVD化は非常に進んでいない。絶版も多いし。「ハンナとその姉妹」なんてアマゾンのマーケットプレイスで1万円以上するし(許せないよな)、「カメレオンマン」「ブロードウェイのダニーローズ」「カイロの紫のバラ」とかDVD化されていない。確かに大量に売れる作品ではないかもしれないけど、やっぱりアレンほどの作家の作品はリスペクトされてしかるべきだし、全盛期(ハッキリ言ってもう全盛期ではない)の作品くらい出せよ!と言いたい。