ハトコのたわ言

趣味に生きる隠居のたわ言集です

045 カラーエフ 交響曲第3番 他

無名名曲アルバム-カラーエフ交響曲第3番

先週は風邪でダウンしていて書き込みナシ。そのあいだ、ペタをいただいたりコメントを寄せていただいた方々、ありがとうございました。

さて、カラーエフの交響曲第3番。最初、交響曲第3番の第1楽章を聴いた時の印象は「しょせん二流のバルトークか」。第2楽章を聴いた印象は「三流のバルトークかもしれない」。しかし!第3楽章まで聴いていて良かった!少しだけ耽美的な、官能的な美しい、しかし緊迫感ただよう旋律線。実にすばらしい。その緊張感が対位法的に扱われて始まる第4楽章。暴力的なまでの迫力。そして普通の和音的に静かに曲が閉じられる。そう、第3,4楽章は「一流に近いカラーエフ」。ここの部分だけ聴いても損はしません。合わせて13分くらいだけどね。
ちなみにNAXOSのうたい文句には「バルトークショスタコーヴィッチを合わせて、そこに辛味系のスパイスを振り掛けて・・・」などという訳の分からないことが書いてある。ショスタコには似てないな~。師事してたみたいだけど。
他に2曲収録されていて、交響詩「レイリとメジヌン」はまあきちんとメロディがあって、それも美しいし、メリハリもあるからつまらなくはないけど、29歳の時の若書き、てな感じで交響曲第3番の緊張感溢れる音楽とは全然違う。まあ、なりそこないのチャイコフスキーみたいで素直に楽しめる曲ではあるけどね。もう一曲は、交響的エッチングドン・キホーテ」(1960)。映画音楽を組曲にしたものらしい。とても交響曲第3番を4年後に書いた人の作品とは思えない、普通の音楽。もっと渋くて良い曲なかったのかな、というのが正直な印象。カラーエフは「アゼルバイジャン」の作曲家となっているけど、1918生1982没の完全にソ連時代を生きた人だから、交響曲第3番みたいに余り先鋭的なことができなかったのかな。

ということで、13分間に1000円だすのが惜しくない人にはお勧め。