昨年12月08日に観ていた、「THE FIRST SLAM DUNK」を観た感想をまだ書いていなかったので、忘れないうちに。
観に行った立川シネマシティで配られたカード
非常に面白かった!
が、私は、連載当時「SLAM DUNK」を読むためだけにジャンプを買っていたし(終了とともにジャンプを読むの止めた)、コミック全巻は今でも持ってて、何度も読み返したし、それなりに読み込んだつもりでいる人間である。登場人物や、山王戦に至る流れやゲーム展開など今でもかなり覚えている。
そう、すごいファン、と言うワケではないが、そこそこのファンであると思う。
なので、ストーリーに無理なくついて行けたけど、初見の人にとってはどうだったのか、そこは保証できない。それを無視して一本の映画として批評?して良いのかどうかはわからない。
が、だ。
そういう前提にいる私にとっては非常に面白かった!
感動させられた。
そしてちゃんと新しい要素も入っている。
原作者の井上雄彦氏が脚本&監督だからと言って、原作ファンが納得するアニメーション作品になるかどうかは約束されないけど、これは素晴らしかった。というか想像を超えていた。
岡田斗司夫氏と山田玲司氏(漫画家)のYou Tubeでの対談動画、
53'07"の動画中、36'06"部分で、山田氏が原作の井上雄彦氏はビジネス的に完全に状況をコントロールできる立場にいる、という趣旨の発言をしていた。
この動画、2017/02/05収録とあるので、今から6年前。
この動画を観ていたので、作者本人の気に食わない方には行かないだろうとは思っていたけど、期待を完全に上回る出来。まずアニメとしてのレベルがものすごく高い!この後にテレビアニメ版を見直したりすると、やっぱりほとんど止まった絵を繋げる「紙芝居」なんだよね。だけど、この映画版はちゃんと「動画」になっている。それも実写のリアリティじゃなくてアニメの中のリアリティという今までに観たことのないような表現!
表現も凄かったけど、物語としても凄かった。楽しんだ。良いモノ観た。
もう一回映画館に観に行こうかな、と思えるほどの作品(事実、リピーター続出しているらしい)。
以下ネタバレあります。
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基本的に山王戦だけ描いて、回想シーンなどで登場人物が少しずつ描かれるスタイル。
で、映画版の新要素として宮城リョータの過去エピソードが新たに付け加わっていて、これは正直意外だった。
「スラムダンク」自体、物語の構造として、バスケに関係ない個人的な人間関係、特に登場人物の家族はほとんど出てこない(赤城一家除く)。それは主人公(桜木花道)の家族すら出さない、という徹底さ。明らかに狙っていたと思う。
なので宮城もどういう人間なのかということは掘り下げられることはほとんどなかった。青春担当というかちょっとおちゃらけ担当というか。
でも、今回の宮城の話も、バスケに関連のない部分は注意深く除けられている。
物語の作り方としてすごくストイックというか潔いというか。中々に考えさせられた。
あと、こういう作り方なら、他の登場人物分の本数出来るんじゃないかと、ふと思ったりした。両親存命なのかも分からない桜木の話とか、これまた日常はどんなやつか全く描かれていない流川についてなど。
だから「THE FIRST SLAM DUNK」なのかな?(んなことはないだろうけどね)