ハトコのたわ言

趣味に生きる隠居のたわ言集です

SOMPO美術館で『生誕100年 山下清展ー百年目の大回想』を観る

先週の金曜、07月21日、SOMPO美術館に『生誕100年 山下清展ー百年目の大回想』を観に行く。

正直な感想は『天才っぽい絵』。

 

全く上手く(巧く)はない。

人物は正面向き真横向きしか描けない。

執念を感じさせるように細密に描き込まれるが、ちゃんとした遠近法はないので、全体的な構図は良いとは思えない。

なんだけど、主な制作方法である貼り絵(ちぎり紙細工)の表現が、印象派の筆触分割や、それこそゴッホのような「絵の具をそのまま盛ってカラフルに描く」のに非常に似ていて、本当に『天才っぽい』『傑作っぽい』。皮肉ではなくて、観ていて素直に面白いんだよね。

 

要はWikipediaによるアウトサイダー・アートの定義『西洋の正規の芸術の美術教育訓練を受けていない者の制作した作品』そのものだと思う(アウトサイダー・アート - Wikipedia)。

裸の大将放浪記』みたいな映画・ドラマで一般的な知名度がある割りには、ちゃんとアカデミックな評価がなされていないのはそういう面があるからだと思う。

旅先で絵を描いたのはほぼ嘘(山下は瞬間記憶能力があって、帰って来てから描いていた)とかそういう情報も得られる。

09月10日まで開催されているので、是非。

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SOMPO美術館と言えばゴッホの『ひまわり』。山下清展といっしょに観られるのは中々面白かった。

あとSOMPO美術館と言えば東郷青児作品(元々安田火災東郷青児美術館だった)。私がSOMPO美術館に行くのは今年2回目なんだけど、やっと1枚観られた。HPによると240点も持っているのに・・・私は東郷青児の独特のエロティシズムが好きなんだけどね。

コロナ禍の2020年、SOMPO美術館として新築後に『東郷青児 蔵出しコレクション』があったのか・・・次はいつなんだろう。